クルグズ共和国

正式名称は Кыргыз Республикасы(Kyrgyz Respublikasy; クルグズ・レスプブリカス)、ロシア語では Киргизская Республика(Kyrgyzskaia Respublika; キルギースカヤ・リスプーブリカ)。英語表記は Kyrgyz Republic。日本ではロシア語読みの「キルギス」という名称が広く知られていますが、「クルグズ」のほうがよりクルグズ語の発音に近いので、私はこちらを使用しています。
長らく遊牧生活を送ってきた民族ですが、16世紀に現在の共和国の場所付近に移住し、その後ロシア帝国を経てソヴィエト連邦の支配下にありましたが、1991年に独立しました。
日本からはJICA(国際協力機構)が支援をしていて、青年海外協力隊として日本人が多く活動しています。

地理

中央アジアに位置し(北はカザフスタン、東は中国、南はタジキスタン、西はウズベキスタン)、面積は日本のおよそ2分の1です。国土の40%が標高3000mを越える山になります。
首都はビシュケク(Бишкек)。
観光地としてはイシク・クルという湖が有名で、大きさは琵琶湖の9倍あります。標高1606mという高地にありながら、冬でも凍らないので、イシク(熱い)クル(湖)と名付けられました。ソ連時代は保養地としてサナトリウムが沢山建てられ、現在でもスポーツ選手の高地トレーニングなどにも使用されています。
シルクロードの一部が国内を通過しています。

国旗

赤地に黄色い太陽が描かれており、赤は勇気、太陽は平和と豊かさを表しています。中央にはテント(ユルト)の天井部分、トゥンドゥク(тYндYк)があしらわれています。これは住居の要になる部分で、親から子へ受け継がれていくものです。
この国旗が決定したのは、ソ連からの独立1年後の1992年です。

民族・言語・宗教

人口およそ550万人。国民のほとんどがクルグス人ですが、ウズベク人、ロシア人も多いです。中央アジアにあるため、その他様々な民族が行き来する多民族国家です。
クルグズ人は民族としてはテュルク系。新疆ウイグル自治区やカザフスタンなどクルグス以外に住むクルグズ人も多く存在します。
公用語はクルグズ語ですが、旧ソ連時代の名残としてロシア語も全土で使用されています。クルグズ語の表記はロシア語と同じキリル文字。そこに3文字プラスされてアルファベットが構成されています。
宗教はイスラム教スンニ派が多数ですが、ロシア正教の方も多くいます。自然信仰の要素も残り、ノウルーズ(ナウルーズ:春分)を祝ったりもします。
叙事詩『マナス』が有名で、マナスを語る人をマナスチュ(Манасчы)と呼びます。マナスから始まる8代の英雄についての詩で、口承なのにとても長いので、ギネスによる「世界一長い詩」の認定を受けています。