民族楽器 いろいろ

【コムズ комуз 】
「楽器」という名前の楽器。杏か松の木で出来た楽器で、表面も裏面も調弦する部分も木。基本的なつくりは一緒ですが、物によって作家さんによって、入る模様や形が若干違います。弦は3弦で、ナイロンの弦を使っています。
 カンバルという猟師がヤギを追っていたところ、ヤギが崖から転落、木に引っ掛かってお腹が破れ、腸が乾燥してからさらさらと良い音をたてたのを聞き、この楽器を作ったと言う伝説があるようです。実際、今世紀になるまでは弦としてヤギの腸を使っていたのだとか。カンバルの名前を取った曲もあります。
 曲によって調弦が異なり、その調弦のことをトルゴといいます。代表的なのは「ミラミ」(チヌ・トルゴ)、「ミラレ」(オン・トルゴ)、「レラレ」(ボシュ・トルゴ)、「レラミ」(ソン・トルゴ)が代表的です(他にもあります)。
 弾き方としてはカグップ・チェルテュー(3本の弦を一緒に弾く)、テルメ(テルップ・チェルテュー;1本ずつはじく)という基本動作のほか、ばらばらと指を開いて弾いたり、胴を叩いたり、また腕をさまざまに動かすなどアクロバティックな演奏も多く、それは遊牧民だったので持ち運べるものがすくないことから出た遊びの要素だといわれています。
 コムズの演奏は、聞くより見るほうが断然面白いので、機会があったらぜひ見に来てください。
【写真:手前がクヤック、奥がコムズ。左奥はトゥバの楽器。】
【クル・クヤック Кыл кыяк 】
クルミか桃の木から作られる楽器で、2弦。馬の毛を使った弦と弓を使って演奏する、バイオリンの原点のような楽器。
上部はオープンで、下はラクダの皮で作られています。下部を片足の上に乗せたり、両足の間にはさんだりして弾きます。湿気に敏感で調弦が狂いやすいためで、弾くのは大変です。
私たちの仲間では、元々バイオリンを習っていた方がキルギスにて習得して来て弾いてくれてます。迫力のある音で、コムズとは全然違います。
【テミル・コムズ темир комуз 】
鉄でできた口琴。テミルは鉄の意味なので、「鉄の楽器」。サイズがほかの国(たとえばサハなど)の口琴に比べると小さく、素朴な印象。指と歯で保持し(というのでしょうか)、弁を弾いて音を出す。口腔を利用し倍音を作りだして、共鳴させる楽器です。体が楽器になるというのが面白いところです。
 基本となる音は口琴ごとに違い、そこから上下少しの音階しか出せませんので、キーが違いすぎる楽器との競演は出来ません。
 木の口琴もありまして、そちらはジガチ・オーズ・コムズといいます。アイヌのムックリのような形をしていて、紐を引いて弾きます。
【チョポ・チョール Чопо чоор】
土(チョポ)で出来た笛(チョール)。オカリナみたいなものです。穴は表に3個ずつ2列、後ろと横に1個ずつで8個。明るくのびのいい音がします。
【タク・テケ Tak Teke】
楽器ではありませんが、こちらは岩ヤギの人形。全体の関節がバラバラに動くようになっていて、台座につながる糸を引いて操作します。
テミル・コムズやコムズを演奏する際に指に紐をひっかけておいて演奏すると、手の動きに合わせて紐が引かれて動きます。カタカタと動く姿がとてもかわいくて、どこに行っても大人気です。
仕掛けがすぐに分解出来て持ち運べるようになっているのも、遊牧民的工夫です。